[特集記事]掛け持ちする人、しない人。大学生の部活選び

こんにちは、てづぷろサークルです。

大学に入ると、意外と早い段階でぶつかる悩みがあります。それが、「部活や団体は1つに絞ったほうがいいのか、それとも複数入ったほうがいいのか」という問題です。

高校までの部活動は、ひとつの団体にしっかり所属する前提で考えられることが多かったかもしれません。けれど大学では、競技として強く活動するクラブもあれば、企画運営を担う学生会系の団体もあり、比較的掛け持ちしやすいサークルもあります。だからこそこの問いは、単なる忙しいかどうかの話ではなく、自分がどんな4年間を送りたいのかという大学生活そのものの設計に関わってきます。

1つか、複数所属か、どっちが最適解なのか?

最初に確認しておきたいのは、今回のテーマに単純な正解はないということです。1つの部活に深く入ることでしか見えない景色もありますし、複数の団体を行き来するからこそ得られる視野もあります。大事なのは、「1つか、複数か」を優劣で決めることではなく、その選び方が自分の時間の使い方、人間関係の広がり方、責任の持ち方にどう影響するのかを考えることです。

大学生活は自由度が高いぶん、選択の結果が自分に返ってきやすい時間でもあります。授業、アルバイト、資格勉強、就職活動、友人関係、そのどれとも課外活動は切り離せません。だからこのテーマは、部活の数の問題というよりも、「自分は深さを取りに行くのか、幅を取りに行くのか」「1つの場所で責任を持ちたいのか、複数の場所で役割を持ちたいのか」という問いに近いのだと思います。

「1つか複数か」はかなり環境に左右される

本学では、課外活動は大学が正式に位置づける学生生活の1部で、文化系・体育系など50を超える公認団体が活動しています。しかも、ただ団体が多いだけではなく、制度のつくり自体がかなり立体的です。学生会会則上は、学生大会、代議委員会、執行委員会、大学祭実行委員会、クラブ連合協議会、学園会、あかね祭実行委員会、イルミネーション推進委員会が置かれていて、行事運営、自治、団体調整などの役割が分かれています。これはつまり、「課外活動」といっても、同じように見えて中身はかなり違うということです。

たとえば学生会系でも、代議委員会は学生大会の運営や重要事項の検討を担い、活動日は「不定期(~週3)」と紹介されています。執行委員会は学生会全体の統括や新入生歓迎会の企画・運営を担い、原則毎週水曜日に活動しています。大学祭実行委員会は4月のあかね祭準備、6月から10月の虹色祭準備、11月の本番まで年間を通して大きな山場があり、学園会は七夕、ハロウィン、虹色祭出店、イルミネーション点灯式など季節行事を一から企画・運営しています。イルミネーション推進委員会も、8月の電飾点検から12月の点灯式まで、企画・会議・施工が連続するタイプの活動です。こうした団体に入る場合、「所属数」だけではなく、「その団体が年間のどこで忙しくなるか」がかなり重要になります。

さらにクラブ連合協議会は、各課外活動団体が定める担当者1名ずつで構成され、施設利用の調整や救命救急講習の周知など、クラブ・サークル全体の運営を支える立場にあります。つまり、自分の所属団体の仕事をしながら、全体調整の役割も負う形になりやすいわけです。こういう役職は、表面上は「掛け持ち」に見えなくても、実質的には複数の責任を同時に担う状態に近いとも言えます。

一方で、制度上の違いも見逃せません。テヅナビでは、施設利用の優先順位が「強化指定クラブ、クラブ、準クラブ、サークル」の順とされ、活動費補助もクラブ・準クラブ中心で、サークルには原則費用援助がないとされています。団体の重さや責任の大きさは、こうした制度面とも結びついています。だから本学では、同じ「2つ所属している」でも、強化クラブ+別団体なのか、サークル+サークルなのか、学生会+自団体役職なのかで、意味がかなり変わってきます。

1つの部活に入る選び方が持っている強さ

1つの部活や団体に入ることの強みは、まず「深さ」が手に入りやすいことです。人間関係も、仕事も、技術も、浅く広くではなく、同じ場所で積み上がっていきます。特に競技系のクラブや、年間を通じて大きな行事を背負う学生会系の団体では、継続的に参加する人ほど見える範囲が広がります。会議の流れ、準備の段取り、先輩後輩の引き継ぎ、予算感覚、外部とのやりとりなどは、一回だけ覗いて分かるものではありません。同じ場所に長くいるからこそ、「その団体が回る仕組み」が見えてきます。

また、1つに絞ると、自分の時間配分に迷いが少なくなります。今日はどちらの活動を優先するか、誰にどこまで責任を負うか、予定が重なったときにどう調整するか、といった消耗が減ります。大学生活では、授業やレポートだけでも思った以上に波があります。そこに複数団体の予定調整が乗ると、時間の管理そのものが1つの負荷になります。1つの団体に集中する選び方には、その負荷を減らして、代わりに密度を上げる合理性があります。

本学でいえば、代議委員会は不定期ながら週3程度まで動くことがあり、大学祭実行委員会は大学祭準備の長い期間を持ち、学園会やイルミネーション推進委員会も季節行事の前にまとまった熱量が必要になります。強化指定クラブも、制度上、施設利用の優先度が高いだけでなく、高いレベルの活動を前提としているため、結果として「1つに集中する」選び方と相性が良い場面が多いはずです。

そしてもう1つ大きいのは、「その団体の顔になりやすい」ということです。継続している人は、自然と後輩に教える側になり、企画の中心に入り、引き継ぎの要になります。大学生活で得られる成長は、参加した数だけで決まるわけではありません。むしろ、1つの場所で責任を持つ経験のほうが、その後の自信につながることもあります。

複数の部活・団体に入る選び方が持っている強さ

一方で、複数の団体に入る選び方にも、はっきりした価値があります。それは「幅」が生まれることです。大学生活は、同じ場所にい続けると見える景色が固定されがちです。ひとつの団体では常識でも、別の団体ではまったく違う考え方で動いていることがあります。複数所属すると、その違いを体感できます。体育会的な上下関係、文化系の制作重視、学生会系の運営視点、サークルの自由さ。そうした複数の空気を知ることは、自分に合う活動スタイルを見つけることにもつながります。

また、複数所属は「自分を1つの肩書きに閉じ込めない」効き方もします。ひとつの団体だけにいると、その場所での評価がそのまま自分の全体評価のように感じられることがあります。でも、別の場所にも居場所があると、1つの失敗や停滞に自分全体を引きずられにくくなります。大学生活は意外と長く、環境も価値観も変わります。1年生のときにぴったりだった団体が、3年生でも同じように合うとは限りません。複数の場を持つことは、変化に対する柔軟さにもなります。

本学の制度面から見ても、掛け持ちがまったく想定外というわけではありません。テヅナビには、サークルや一部文化系団体で比較的ゆるやかな活動頻度が見える一方、制度上、掛け持ちそのものを一律に禁止する記述は確認しづらく、団体の種類と忙しさ次第で両立余地があることがうかがえます。特にサークル同士や、比較的活動日が固定されていてピークのずれる団体同士なら、大学生活の中で複数の接点を持つことは現実的です。

複数所属の良さは、単に「友だちが増える」ことだけではありません。考え方の違う人と出会い、役割の違う現場を知り、企画の仕方やコミュニケーションの癖の違いを体験することです。大学生活の早い段階では、それだけでも十分に価値があります。1つに決め切れないこと自体が、悪いこととは限りません。迷いながら複数を知る時期が、その後の選択を深くすることもあります。

1つに絞る場合の見落とし

ただし、1つに絞る選び方にも見落としはあります。いちばん大きいのは、その団体の価値観が自分の全部になりやすいことです。濃い人間関係は強みですが、同時に、そこから距離を取ることが難しくなることもあります。忙しさや責任感が増すほど、「ここを休んだら迷惑がかかる」「自分が抜けたら回らない」と感じやすくなります。その感覚は誇りにもなりますが、視野を狭くしてしまうこともあります。

また、1つの団体に深く入るほど、その団体の論理に強く適応していきます。もちろんそれ自体は悪いことではありません。ただ、大学生活は本来もっと広いはずです。授業の学び、学外経験、別ジャンルの友人、違う立場の人との出会いまで含めて大学生活です。ひとつの団体だけで4年間が完結してしまうと、あとから「別の世界も見ておけばよかった」と感じる可能性はあります。

複数所属の場合の見落とし

逆に、複数所属には分かりやすい落とし穴があります。まず予定の衝突です。大学祭前、新歓前、学園祭関連イベント前、学期の変わり目など、大学の課外活動は忙しくなる時期が案外かぶります。本学の学生会系団体だけを見ても、春は新歓、初夏から秋は大学祭準備、年末はイルミネーションや季節行事と、年間を通してピークが分散しているようでいて、実際には重なる場面も少なくありません。複数団体に責任を持てば持つほど、この重なりはシビアになります。

もう1つは、「どこでも途中参加の人」になりやすいことです。複数に関わると、どこでも顔は知られているけれど、どこにも深くコミットしていない状態になることがあります。それが悪いわけではありませんが、幹部経験や責任ある立場を引き受ける機会は、どうしても1つに集中している人に比べて少なくなりやすいかもしれません。広く関わることと、浅く散ることは似ているようで違います。その境目を自分で見極める必要があります。

さらに、複数所属は自由に見えて、実は自己管理の難易度が高い選び方です。遅刻や欠席の連絡、課題の締切、練習や会議の優先順位、費用負担、人間関係のメンテナンスまで、自分で整えないと回りません。「なんとなく二つ入る」はできても、「ちゃんと二つ続ける」は別の能力が必要です。

先に見るべきなのは「数」ではなく「団体の種類」かもしれない

このテーマを本学で考えるとき、単純に「1つか2つか」で考えると少しズレます。むしろ先に見たほうがいいのは、その団体がどんな性質を持っているかです。

学生会系の団体

学生会系は、自治、行事運営、全体調整といった役割を担うため、華やかさだけでなく責任も大きいです。代議委員会のように不定期で動くものもあれば、執行委員会のように全体統括を担うもの、大学祭実行委員会や学園会、イルミネーション推進委員会のように特定行事に向けて熱量が高まるものもあります。こうした団体に入る場合、「ほかにも入れるか」は所属の可否より、責任の重さと時期の重なりで考えたほうが現実的です。

クラブ連合協議会や役職兼任に近い立場

クラブ連合協議会は、各課外活動団体が担当者を出して成り立つため、自団体の活動と全体調整の仕事が重なりやすい構造です。表向きは所属先が増えていなくても、実際には2つ分の視点や責任を担っているような感覚になることがあります。だから「1つの団体にしか入っていないから余裕がある」とも言い切れません。役職の有無で体感は大きく変わります。

強化クラブ・活動強度の高いクラブ

強化指定クラブは、制度上も優先順位が高く、求められるコミットメントも大きいと考えるのが自然です。こうした団体では、「部活を複数やるかどうか」以前に、ひとつの競技や組織に十分向き合えるかが先に問われます。1つに絞ることが消極策ではなく、その活動に対する誠実さになる場面もあります。

サークル・比較的掛け持ちしやすい活動

一方で、サークルは制度上の位置づけもクラブとは異なり、活動頻度や責任の重さが団体ごとにかなり違います。ここでは複数所属が現実的な場合も多く、大学生活の入口として「まずいくつか覗いてみる」ことには意味があります。ただし、自由度が高いぶん、自分で線引きをしないと流されやすいのもサークルの特徴です。気軽さが魅力である一方、続け方は自分で決めなければいけません。

大事なのは、どんな大学生活を引き受けたいか

1つの部活に入る生き方には、深く積み上げていく美しさがあります。複数の部活や団体に入る生き方には、幅を持って動ける強さがあります。前者は責任と専門性に近く、後者は柔軟性と接続力に近いかもしれません。けれど、そのどちらが優れているかは、大学生活で何を手に入れたいかによって変わります。

もし、自分の4年間で「ひとつの場所に名前を残したい」と思うなら、1つに絞る意味は大きいはずです。逆に、「まだ自分に合う場所を探している」「いろいろな人や空気に触れたい」と思うなら、複数所属の時間にも価値があります。大切なのは、世間の正解に合わせて数を決めることではなく、自分の時間と責任の持ち方に納得できるかどうかです。

大学生活では、あとからしか分からないこともたくさんあります。だから最初から完璧に決める必要はありません。一つに入ってみてから考えてもいいし、複数入ってみてから整理してもいい。重要なのは、選び方そのものより、選んだあとに自分がその時間をどう生きるかです。

迷うこと自体が、大学生活を考える入り口になる

「1つに絞るべきか、複数入るべきか」と迷うことは、悪いことではありません。むしろその迷いは、自分がどんな大学生活を送りたいのか、どんな人と関わりたいのか、どんな責任なら引き受けたいのかを考える入口になります。

てづぷろもまた、そうした大学生活の選び方を考える場所のひとつです。1つの団体に深く関わっている人でも、複数の活動を横断している人でも、企画や発信という形で自分の視点を持ち寄ることができます。部活や学生会で見えてきたことを、別の形で言葉にしたい人。いろいろな団体を見てきたからこそ気づけることを、企画として形にしたい人。そんな人には、てづぷろの活動はきっと相性がいいはずです。

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